願いの行方
仕事帰り、夜の9時くらいだったと思う。
コンビニで、僕の前の人が缶チューハイのロング缶を買っていた。
僕は、その人の後で缶コーヒーとおタバコを買い、店の外の灰皿で紫煙をくゆらしていた。僕はアメスピを愛好しているので、一本で他のタバコ2本分くらい楽しめる。
缶チューハイを買っていた人は、レジ袋で口のところ以外を包みながら、僕から5歩くらい離れたところで、缶を煽っていた。まあ、美味しそうに飲む。
僕はお酒が飲めないので、キンキンに冷えてやがるビールのありがたさがわからない。だけど、美味しそうに飲むのを見ると、羨ましいと思う。
僕がスマホをいじりながらタバコを嗜んでいる間に、缶チューハイを飲み干したその人は、僕の前を通ってコンビニに戻り缶を捨てて、再び僕の前を通って、家路に向かった。
バイクで。
僕は目が悪いので、ナンバーまでは見えなかったが、バイクのお色とバイクが出た方向を把握した上で、電話を取り出し110を押した。
110なんて、人生で初めてかけた。
どうか、あの人がお巡りさんに捕まって、50万くらい罰金をくらって、会社をクビになりますように。願いを込めて、僕はタバコの煙を吐き出した。
2年前の今頃の話。
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