イマジン
想像していた倍くらいのおしゃべりさんだった。
めっちゃ喋るし、手も遅い。
そう言われてた人と午後から組むよ、と言われて、昼休み明けから言われた通り、その人とペアでラブホのルームメイクに勤しむことになった。
僕は日雇いで、まだまだ初心者なので、風呂担当としてセコセコとお客様の使用済みのバスタオルに風呂場の水滴を染み込ませる作業に従事していた。
が、よく喋るよ、と言われてた相方のおばちゃんは、よくどころじゃない。ずっと喋っている。
風呂場のドアを閉めてても、ドアの向こうからずっと喋ってくるし、何かしら資材を取りに行くのに僕が部屋を出たあとでも、ずっと喋っている。
で、戻ってきたら、ちょっと巻き戻して、ずっと喋っている。
多分あそこまでいくと、病院に行ったら、病名が付く。
それくらい喋る。
嫌な人では全然なくて、喋る内容も本当にどうでもいい、当たり障りの無い話なんだけど、僕が風呂場の清掃が終わり、ドアを開けたら、ドアの前に立って喋り続けていたので、ちょっとビビった。
喋るのに夢中すぎて、手が、というか体の動き自体が止まるようだ。
この仕事場はレギュラーの方が
今日は僕みたいな日雇いが9:00〜17:00で、17:00〜23:00で入ってるらしく、よく喋るおばちゃんは14:00〜23:00である。
で、14:00〜17:00は僕。17:00〜23:00はもう一人の日雇いの人とペアになるシフトになっている。
おばちゃんはどうやらレギュラーの方々からは組みたくないと思われてるようだ。
僕は人材派遣会社にいるくらいなので、日々、新しい方と出会う。それが仕事だし。
なので、ある程度のパターンの方とは出会ってきたつもりだったけど、また新たなパターンの方と出会う事になった。
決して人脈作りにはならないけど、面白い。
あとは、この面白くも何ともない話をなんとか面白く誰かに話したいのだけれど、日雇いで小銭を稼いでる事を友人にも内緒にしているので、だって、恥ずかしいもん、話すところもない。
なので、ここに書き出したのである。
いつか、誰かとこんな事があったよ、って、恥ずかしげもなく話ができたら良いな、と想像してみるが、それが全く叶う気がしないのは、きっと僕の想像力不足じゃないと思う。
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