見猿 聞か猿 言わ猿
どうやら僕は気付かない人のようだ。
何に気付かないかと言うと、僕以外の人々の人間関係について。である。
具体例を申し上げよう。
①
僕がとあるお仕事の頭の位置にいて、その下に何人かの部下がいた。
ある日の朝礼で、部下の1人が発表があると、他の部下2人を指した。なんとその2人が結婚をする、との事だった。僕は、そもそも付き合ってたんや、と驚きを声に出した。
瞬間、ほうぼうから「逆になんで付き合ってるのを知らんかったんすか。多分、知らんかったのは◯◯さんだけですよ」
と、軽く叱責されてしまった。
②
ある日、仕事が遅くなり、社内には僕と僕の同僚、そして少し離れて事務担当の女性社員の3人だけになった。
自然と雑談混じりの会話を交わすことになったが、その際、事務担当の方が別の事務の人のことをディスりだした。
僕はそこが、そんなにギスギスしているのを知らなかったので、驚いた事を口にしたら、僕の同僚が「いや、なんで知らんねん。見てたらわかるやろ」と軽く叱責されてしまった。
③
うちは他の社員の退職が続いたりしたせいと、元々緩めな社風のせいで、社内の体制や命令系統が上手く機能しなくなっていた。
なので、10月から僕が先頭に立って、社内ガバナンスを整えることになった。
こうやった方がいい、ああしよう、と話し合ってる中で、現上長のダメなところの話になった。もちろん、その人はその場にはいない。
すると、元々その上長に不信感を持っている人以外の若手が急に「僕はね、この人がいなくなってくれたら、僕も、このチームももっと上手くいきますよ」と憤りをぶつけてきた。
僕が驚いて「あ、そんな強めに嫌いやったん」と言うと、もう1人が「そりゃそうじゃないですか。ここにいる全員、あの人の事嫌いですよ」と援護射撃を出してきた。そして被せて「逆に◯◯さんは、なんであの人に腹立ててないんですか」と。
周りを見渡すと、確かに全員それに同意顔だ。もももびっくりである。
どうやら僕は気付かない人のようだ。
確かに、他人様と他人様の人間関係には興味がない。他人様の悪口も、人前では仮に思ったとしても1人の時に壁に向かってしか言わない。と言うか、そもそもあまり思わない。
先ほどの現上長についても、確かにちょっと言い方がアレなこともあるが、根本的な言いたい事があった上で、言っているのが、わかるので、別に嫌な気持ちにはならない。
どうやら僕は、他人に無関心で、鈍感で、いい人ふぶってしまいがちなロクでもない人間のようだ。
でも、それでそんな風に生きてきて、例のように驚かされたことはあっても、困ったことはない。
逆に、そんなにいちいち腹を立てたり、誰と誰がどうなったかなんて、気にしてどうする。
である。
大丈夫。
僕は結構楽しく生きてます。
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