きっと僕だけではないはずだ

 喜んでいるのは。

僕の自宅から徒歩2分もあれば行ける、最寄りのコンビニがある。

今の家のいいところは、広さや機能の割にこのエリアとしては、比較的お得なお値段だったことである。

そして、コンビニが近かったのだ。

とはいえ、普段の生活でコンビニを利用することはほとんどなく、だって高いから、生活に必須の牛乳や生鮮食品はもうちょっといったところのスーパーやスギ薬局とかで買うのだ。

じゃあ、コンビニいらんやん。ではあるが、僕にとってはとても大事な役割がある。

雑誌?違う。スイーツ?違う。チケット?違う。

おじさんに必須のアイテムといえば、タバコである。

僕は喫煙者なので、かつ、コンビニじゃないとあまり置いていない、アメスピを嗜んでいるのだ。

基本的には、常にストックがある状態にしておくのだが、それでも、やっぱりうっかりと夜中に切らせてしまうことがある。

そんな時、ちょろっとサンダルを突っかけて近所のコンビニまで。

の予定だった。それに気づいたのは、家を買ってからだ。

タバコの置いていないコンビニだったのである。

コンビニにタバコが置いていない理由は一つだ。

店長がタバコ嫌い?違う。利用者の苦情防止?違う。

近所にたばこ販売の免許を持っている店があるかどうかである。

繁華街だと50m、住宅地なら200m以内にタバコ屋さんとかがあると、その範囲内にあるお店はタバコを販売する許可が取れないのである。

そのコンビニからもうちょっと先、20mほど行ったところに、高齢のご夫婦が営んでいる昔ながらの生活用品店があった。

そこでもタバコを売っていたのだ。ということは、その近くにあるコンビニでは、タバコを売ることができないのである。許可を取れないから。

じゃあ、そこで買えばいいじゃん。ではないのだ。

まず、アメスピを売っていない。そういうお店でアメスピが売っていた試しはない。

そして、多分18時くらいで閉まる。大体、タバコが切れて、あ、やってもた、と思うのは、21時くらいである。僕の生活リズムだと。

そうすると、徒歩で15分くらいのコンビニに行くか、我慢するか、になるのだが、タバコを我慢するという選択肢は僕には、いや、すべての喫煙者には、無い。

車が使えた時はよかったが、今は僕が自由に使える車がない、諸事情により。

となると、結局徒歩で15分、片道なので、往復で30分である。

良い運動ですね、じゃないのだ。

僕は風呂後はできるだけ外出したくないし、おっきいトイレもしたくないのだ。

なんか、損した気分になる。

が、タバコを吸おうと思っているのに、タバコがない。であれば、買いに行かなくてはならないので、ペタペタとサンダルを鳴らしながら、僕はコンビニに向かうのである。

ちなみに、タバコの自動販売機もあるのだが、その全てを確認したが、アメスピは置いていなかった。アメスピのラウンダー、もっと頑張れよ。

まあ、ここまで話せば、何が起きたかはもうおわかりだろう。

つい先日、その老夫婦(予想)がやっているお店が閉店、というか解体工事をされていた。

と、いうことは、許可を持つ店が消滅したのである。

と、いうことは、そのコンビニで許可が取れるはずなのである。

と、いうことで、その足でコンビニの中を覗いてみた。が、まだ置いていなかった。

と、いうことで、数日後、そう、それは今日。三連休最終日、お昼間にタバコが切れた僕はスマホでラジオを聴きながら家を出た。

今から往復30分になるか、往復5分になるかは店長次第である。

まずは当然、近くの方のコンビニに向かう。もう、自動ドアが開く前にわかった。

そう、ザッツライト!!

今までのレジ裏のカウンターには、誰が買うのかわからない贈答品系のお菓子が申し訳程度に置かれていて、スッカスカだったが、そこには色とりどりのパッケージが整然と立ち並んでいた。

もちろん、アメスピも健在である。

店長、ありがとう。

ただただ嬉しい。

これから僕は会社から帰る時、最寄りの駅に着いたときに、タバコが切れてないかどうかを気にする必要がなくなった。

ちなみに、僕ん家から、最寄り駅までは3.4キロほどある。バスで5~6分だ。

一旦バスに乗ってしまえば、降りた先にはもうタバコが買えるところはない。

夜遅い時間にタバコを切らして、ああぁっ、ってなることもなくなったのだ。

だって、すぐそこに。足をちょっと延ばすだけで届くのだ。夜中でも早朝でも。

この家を買った甲斐があったものだ。

まあ、家族全員からタバコは嫌われまくっているので、結局、肩身は狭いままではあるが。

でも、僕は嬉しい。そう、ただただ嬉しい。

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