人のふり見て
これはマジで真面目な話なのだが、僕は病気である。
どんな病気かというと『抜毛症』である。
字面でどんな病気かわかると思うが、簡単に説明をすると、毛を抜く病気である。
もうちょっと詳しく言うと、毛を抜くことがやめられない依存症の一つである。
とは言え、主に頭髪が対象の抜毛症が問題とされるのが主なので、なぜかというと禿げちゃうから。抜毛症になったら女性とか子供でも禿げちゃうのである。だって抜くから。意識的、時には無意識に。
抜毛症の別名は禿頭病と言う。
なので、人からすると、僕なんて抜毛症ではない、と言われるかもしれない。
だって、僕は鼻の下と口周りのお髭を抜くのを我慢できないタイプのやつだから。
いや、我慢したらいいがな、と思われるかもしれない。我慢できないから依存症なのである。
そのせいで僕は、結構いつでもカバンやポッケに毛抜きを忍ばせている。
この抜毛症のせいで、僕の口周りは汚い。
お店の脱毛と違って、ただ抜くだけなので、抜いた後の毛穴が固くなって、その固いところを爪でカリカリと取ると、血が出たりする。
大人、というか新陳代謝の衰えたおじさんなので、そこが跡になる。
みたいな繰り返しで、僕の口周りは汚い。
もちろん、おっさんなので、元々全体的に薄汚れてて汚いし、僕の口周りがどうなろうが、誰も何も気にしないので、何かしらの悪い影響があるわけではない。
頭髪を抜いちゃうタイプの抜毛症の方と比べると大したことない。
それくらい気にすんな。
それよりもっとひどい、とか、不幸な人はいるよ。
と、下を指さして励まそうと、問題の矮小化を図る人がたまにいる。
申し訳ないが、僕もやったことがあると思う。
あくまで親切のつもりで言ってくれてる、決して悪い人ではない、悪くはない、とは思うんだ。
けどさ、いや、全然大した話じゃないんだけど、俺、お前に言わなくちゃいけないことあるんだよね。
いやぁ、話っつーのは、
うるせえ、黙れ。である。
どこぞの俺より不幸なやつがいようが、いまいが、今、ここにいる俺がしんどいって言ってるんだよ。
それがなんだ。
世界にはご飯を満足に食べられない人もいるんだぞ。
じゃねーよ。
いるだろうな。
そりゃいるよ。探せば。俺は普通の日本人だからな。多分、世界水準で言うと、幸せの立ち位置、上の方だわ。
でも、それはそれ!これはこれ!!
今、お前の目の前にいる俺がしんどいって言ってんだから、下を指差すんじゃねえよ。指差した先に俺はいねぇよ。いるのはお前の目の前。イン フロント オブ ユー!!
そんな時は、黙って腕を広げて、ウェルカムの体制をとれよ。
いや、マジで腕を広げんな。キモいわ。馬鹿。
とにかく、何が言いたいかって言うとさ。
僕は他人様と比べて、貴方は不幸です。幸福です。と言う方が苦手なのである。
別に抜毛症については、今回の話とは関係ない。不幸だと思ってなどいないし、髪の毛の抜毛症の方より上とか下とかではない。
種類が違うだけである。
他人様と比べることは、勝負事としては必要なことなのかもしれない。
でも、大体の人は自分より境遇がよくない人を見せられて、あぁ、よかった。と思うような人ではない。多分。
あと、大体の悩みとか愚痴は、解決したいわけではない。
こっちは言いたいだけだから、和らげようとしなくてもいい。悪気はないのだろうけど。
言うこと、アウトプットする事そのものに和らげる効果があるのだから。
である。
あ、でも、こういう文章を書いたりしてからしばらくは、お髭を抜きたくなったりしないのである。
やっぱり、アウトプットするとストレスが発散されるのだ。きっと。
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